今日はイラストのお仕事で大失敗してしまった時のお話です
プロを目指してイラスト描きまくってきて、ようやくお仕事が頂けるようになった、という「駆け出しイラストレーター」の方の参考になればと思います。
または、今まさにお仕事で失敗してしまったという方の励みになればと…
自分が失敗してしまった時に1番の慰めになるのは他人の失敗談……ではないかと思うので。
ではでは
………………………………………………………
スポンサーリンク
目次
失敗の内容
提出した絵が全く使い物にならず
他のイラストレーター様に代わって頂くという最悪の結末となってしまいました…
お仕事内容は
今回は出版社様からのご依頼でした。
イラストの描き方本を出版する企画があって、その描き方本の一部に僕の描き方を載せて頂くことになりました。
教本の内容は「初心者向けにラフ画から線画を描き起こす手順を動画とテキストで解説する」というもので、一言でいうと「線画の描き方」の本ですね、
それに必要なイラストや動画など諸々を作成するのがお仕事内容でした。
具体的な作業内容は?
で、具体的に僕がやらなければならなかった作業内容は、
- ラフ絵を描く
- ラフを元に線画を描き起こす
- 色塗りして絵を完成させる
- その様子を動画に撮る
の4つ、
(解説用のテキストは出版社の方で作成してくださるとのことでしたので、実質録画しながら絵を描くだけのお仕事です。)
まあ、これといって難しい内容ではないですよね。
動画撮影以外は絵を描いている人なら殆どの人が普段からやってることだと思いますので
普通なら簡単なお仕事のはずが……
こんな感じで普通に考えれば難しくないお仕事だったのですが、僕の場合には大きな問題がありました。
線画が描けない
というのも、僕は普段線画を全く描かないのです、
アナログ時代は漫画描いてたのでその頃は線画描いてたんですけど、デジタルに移行して以来線画を全く描かなくなりました
(アナログ時代とは絵の描き方がまるっきり違うのでその頃の経験は役に立ちません)
なので今思えばですが、そもそもこのお仕事はお引き受けするべきでなかったのです…
…が、この時は報酬の高さとお仕事を頂いたという嬉しさでやる気しかありませんでした、(報酬は2桁万円)
ご依頼を断るという選択肢は微塵もありませんでした。
線画が描けないなんてクライアント様的にも想定外
クライアント様はこのイラストと同じテイストで描いて欲しいと依頼して下さいました↓
これを見る限り、線画も普通に描けているように見えます……よね?
だからクライアント様としては僕が線画が描けないなんて夢にも思わなかったのかもしれません、
が、このイラストは線を描かずに厚塗りで絵を完成させた後でその輪郭を黒でなぞっただけの「なんちゃって線画」だったのです………
よーく見ると線画というより塗りの一部みたいに見えると思います
初心者の参考にならない描き方
普通は線画描いてから色塗っていくのが一般的ですが、僕はそれがどうにもやりにくくて先に線画を描くっていうのが出来なかったんです。
だから絵を完成させてから輪郭をなぞって線画に仕立ててます
手順が逆の変な描き方です
だからクライアント様が求めている動画(ラフ絵から線画を起こしていく過程)が撮れなかったのです。
絵を完成させてからその輪郭を黒でなぞるというある意味セコイやり方はこの本の趣旨に合っておらず、またこの本の読者(初心者)にとっても役に立たないのですね
もちろん線画が苦手だということは伝えた…
もちろん最初の打ち合わせの際に「線画苦手なので、ご要望通りの動画が撮れるか自信がありません」ということは伝えました、
が、それに対する返答は
「あくまで一例としてマエコさんの描き方を掲載しますので…」というものでした
僕はこれを誤解して
「…特殊な一例として掲載して貰えるということかな」「…てことは普段の描き方で描いてもいいということかな…」と都合よく解釈してしまい、本当にそれで大丈夫なのか再度確認することをしませんでした、
ここでちゃんと「厚塗りで仕上げてから線画を描くという変わった手順でも大丈夫ですか?」と聞けばよかったのですが…
クライアント様もまさか線画が描けないなんて想定外だった為に、僕が言っている「線画が苦手」の意味を誤解したのかもしれません
「苦手なだけで最低限描けるんだろう」と…
だからクライアント様もこの点に関してつっこんで聞いて来なかったのですね
こんな感じで僕が線画が描けないという事実は正確に伝わらないまま作画作業に進んでしまったのでした……
誤解したまま作画開始
そしてラフを描き、
ラフは線画を描く必要がないのでOKが出ました
で、完成させて動画とともに提出し、
その1週間後…………
クライアント様からのチェックバックは一言で言うと次のようなものでした
「お前の描いたイラストは全く使い物にならない」
もちろんこんな乱暴な言い方じゃなくて丁寧なビジネスメールでした…
でもかなり怒っている(呆れている)のが読み取れました、
本当にショックでした…
膝をガクガク震わせながらメールを読んでいました。
申し訳ないのはもちろん絵描きとして情けなさすぎて…
とにかくまずは謝ることしか出来ず……
その後…
最悪の失態を犯してしまったわけですが、その後のやりとりでは一方的に責められるということはありませんでした
クライアント様も始めの打ち合わせがちゃんと出来ていなかったことをとても反省しておられました、
(もしかしたら僕が打ち合わせの際に言っていた「線画が苦手」の意味をここではじめて理解されたのかも知れません、
そういえば言ってたなと……)
その後、最初から描き直すという案も出ましたが、普段描いてない線画をちゃんと描けるのか、
教本に載せるに相応しい動画にできるか自信がなかったので普段から線画をきちんと描く方に代わってもらった方が確実ではないか、とお願いしてそうして貰うことに…
大変なご迷惑をかけてしまいました…
本当に申し訳ありませんでした
…と、失敗のあらましは以上です。
ちょっとレアなケースだとは思いますが、「イラストレーターは画力と同じくらいコミュニケーション力もないと駄目」とよく言われますが、
その具体例がこれかも知れません、
コミュニケーション不足だとこうゆう事になり得るので皆様もお気をつけ下さい、
僕も二度と同じ過ちを犯さないように気をつけます
以下は、この失敗から学んだこととお伝えしたい教訓的なものを書いときますね
……………………………………………………
スポンサーリンク
失敗から学んだ教訓は3つ
①仕事を貰っても舞い上がらないように
今回失敗に繋がった原因の一つとしては、仕事を貰ったことの嬉しさで舞い上がってしまい、
「頑張るぞ〜」というやる気ばかりが先行して
どんな仕事をしなければならないのか、を詳細に確認することを怠ってしまった、また自分にそれがちゃんと出来るのかをよく考えなかった、ということがありました、
もうちょっと冷静に考えて「このお仕事は自分の技量では難しそうだな…」とブレーキをかけることが出来れば良かったのですが…
出来れば一呼吸置いて考える
駆け出しイラストレーターにとってはせっかく来たご依頼、やっぱり内容に関わらず「やりたい!」という気持ちが先行するはずです
が…
これを読んでくれている方で、もし不安要素のあるご依頼(出来るかどうかいまいち自信がないお仕事)が来た場合は、できれば一呼吸置いてクライアント様とよく相談して下さいね、
この記事がそのきっかけになれば幸いです。
②クライアント様が必要としているものを理解する
今回の場合で言えば、
クライアント様が必要としているものは
初心者でも分かる線画を描く手順でした
……が、僕の解釈は
特殊な一例として載せてもらえるんだ、
だから普段の描き方で描いていいんだ、と自分の都合の良いように解釈してしまっています…
自分の解釈が本当に正しいのか再度確認しなければなりませんでした
遠慮せず何でもきこう
変にカッコつけずにちょっとでも分かんないことがあれば全部訊くつもりでいた方がいいのかも知れません。
意外とクライアント様って遠慮していて「ああしろ、こうしろ」ってズケズケ言ってこないのですね、
すごく丁寧でダメ出しする際もオブラートに包んだ言い方をして下さいます、
なのでこちらから「ああした方がいいですか?こうした方がいいですか?」って遠慮せずに訊いてあげた方が指示を出しやすいのかも知れません
③ラフを変更する場合は必ず連絡を
あともう一つ、これも当たり前の話かもなのですがクライアント様にOKを貰ったラフに無断で大きな変更を加えるのはご法度です!
「変更する際は必ず事前に相談してください!!常識です!」と強く注意を頂きました。
……申し訳ありませんでした
相談するのが手間な場合は、多少イラストのクオリティが下がると感じていたとしてもラフの通りに仕上げた方がいいみたいです。
なぜなら無断で変更を加えてしまうと、たとえ上手く描けていたとしても「勝手なことをする人」として不信感を抱かれてしまう可能性が高いのでやらない方が良いとのこと
またクライアント様曰く、
「こちらとしてはラフにOKを出したという責任があるので、クライアントがもしラフと大きく違う修正や加筆を要求してきた場合は追加料金請求などの交渉をしていい」とも仰っていました。
(↑これはクライアント様の方針によりけりだと思いますので、あくまで参考までに…)
お任せタイプの仕事もある
お仕事によっては「マエコさんの判断で色々アレンジして貰って全然大丈夫ですよ〜」と「クリエイターにお任せ」なタイプがあって、僕はたまたまそのタイプの仕事を頂く機会が多かったため「ラフって大して重要じゃないんだな、絵を良くするためなら変えてもいいんだな…」って勘違いしていました
が、これは大きな間違いで「クリエイターにお任せタイプ」のお仕事の場合に限った話でした
なので
ラフに大きな変更を加える場合は必ずクライアント様に確認をして下さい、
勝手に変えたらダメです………
(これは業界では常識であって、僕はこれすら分かっていなかったせいでクライアント様を呆れさせてしまいました……申し訳ありませんでした…)
…という訳で今日の話は以上です。
当たり前の内容が多かったかも知れないですが、独学で描いてて同業者との横の繋がりなどがない人にとっては知らなかったこともあったんじゃないでしょうか、
少しでも参考になれば幸いです
ではまた^_^
………………………………………………………
スポンサーリンク
オススメお絵描きソフト
CLIP STUDIO PAINT PRO デジタルイラストやるならオススメソフトはクリスタで決まり!無料ソフトでは叶わないサイコ~の描き心地!オススメ液タブ
Kamvas Pro24 (4K) 超美麗液タブhuionのKamvas Pro24 (4K)レビュー
オススメお絵描き中BGM