半年ぶりの更新です。(継続して見ていただいている方、申し訳ありません。)
今日は最近描いたイラストを一点紹介しつつ、参考にした資料の紹介や苦労した点などについてお話しします。
描いた絵はこちら↓
これはpixivのイラストコンテストに応募したものです。
簡単に言うと「京都」をテーマに「初音ミク」を描いてください、ってゆうコンテストです。
京都で開催されるイベント「Kyoto Nippon Festival」に展示するイラストを36点選出するという内容でした、
こちらのイベント、案内を眺めていると「結構面白そうだな、」と思いました、
なかなかに規模が大きく、それにイラストやアニメとのコラボ企画が多い様に思いました、
絵描きにとっては嬉しい大型イベント
また、憧れのイラストレータータカヤマトシアキ先生の絵も展示されると言う事だったので、このコンテストに入選できたらタカヤマ先生と同じ土俵に立てるような気がして、僕も腕を振るって描いてみることにしたのです。
メイキング動画もあります↓
という訳で、これを描いた手順や苦労した点、活用した資料など紹介しますね。
まずは資料の紹介から
………………………………………………………
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目次
着物の構造、柄がよく分からない……
このイラストの見所はやはり着物、
…のつもりで描きました。
描き始めた当初も「よし!見惚れるような美しい着物を描いてやるぞ!」と意気込んでいました。
が、しかし
そもそも着物ってどんな服なのか分かりません、
もちろん僕は男なので着たことはないし…
- どうゆう構造してんのか?
- どうやって着るのか?
- 旅館にある浴衣みたいなものなのか?
- 後ろにくっ付いてるリュックみたいな物はなんなのか?(たぶん帯の一部…)
他の記事でもくどいくらい話をしていますが、
「どんな形をしているのか分からない物」って絶対に上手く描くことは出来ません、
だからまずは着物ってどうゆう形の物体なのか、調べなければなりませんでした。
その時に役に立った資料を紹介しますね。
まずはpinterest
これは絶対に外せません。
- ピンタレスト?何それ?とか
- 名前は知ってるけど特に使ってないなぁ…、
という方は絶対使うようにしましょう
もう参考になる写真が芋づる式に「出てくるわ出てくるわ」でインスピレーションが掻き立てられること間違いなしです。
ピンタレストの画面↓
実のところ、今回のイラストもはじめのはじめは着物を描こうとは考えていませんでした。
イラコンのお題が「京都×初音ミク」だったので「京都といえば何だろう?!」と、取り敢えずpinterestでキーワード「京都」で検索しました。
そして出てきた写真をぼーっと眺めていたと思います。
するとたびたび出てくる舞妓さんの姿が印象に残ったので、
そういや京都には舞妓さんという生物がいたなぁ…と思い「なら舞妓さんのカッコしたミクちゃん描いたらいいかも^_^」と思い付いたのでした。
こんな具合にピンタレストは何を描いたらいいか思い付かない時にもとても役に立ちます。
自分の頭に無いもの・想像力が及ばないものをこれでもかと言うくらい沢山見せてくれるので…
2つ目は着物のポーズ集
pinterestでも着物の画像は沢山出てくるんですけど、そもそもの構造や形、どうやって着るのかっていうのは分かりませんでした、
動きのある写真も少なかったですし…
なので着物の着方や構造を解説してそうな本を探すことにしました。
「やさしい着物の着付け方」とか
イラスト用の着物の写真集やポーズ集はないかなぁ…と
で、結局着物の着付け方に関してはyoutube動画を参考にしました。。これに関しては動画の方が分かりやすかったですね。
構造なども大体分かりました。
(着るのはかなり面倒くさそうでした…
個人的に着物は凄く可愛いと思いますが普段着にするには無理がありそうです……、)
残る問題は、特定のポーズでどんな皺が出来るのか?ということ…
着物は特殊な形をしているので、どんな皺が出来るかってこれまたよくわかりません、
衣服を描く時、いつもなら自分でポーズをとって鏡に写して描いたりするんですが、洋服とも全然違うので今回は参考になりません
だからといって勝手な想像で描くのは危険です、
リアルタッチで描く場合は、そういった間違い・曖昧さは凄く目立ってしまうので…
動画でもこればっかりは分かりにくかったのです、
やっぱり写真が必要だという結論に至り、参考になりそうな書籍をかたっぱしから買い漁りました
(最近は大して選ばずに気になったものは取り敢えず買うようにしています、選んでる時間もないしそんなに高いものでもないので…)
買ったのはこの子達↓
で、この中でおススメのものを2冊紹介しますね、
着物を描くのに特に役立つ資料集
まずはこれ↓
「ぐるぐるポーズカタログ 和装の女性」
一見普通のポーズ集なんですが、従来のものと違う点がありました。
それは「一つのポーズに対して360°あらゆるアングルからの写真が載っている」ということ
前、横、後ろ、上、下、はもちろん斜め右下からの煽り、斜め左上からの俯瞰、その逆etc..
口で説明するより見た方が早いです。こんな感じです↓
今後ポーズ集は全てこの仕様で出して欲しいと言ってもいいくらい
従来の写真集では、求めているポーズは載ってるけどアングルが違うせいで結局参考にならないということが多発していました、
が、こうゆう仕様だとそれがほぼありません、
すごく助かります。
あと、DVDも付いてます。
DVDではモデルを360°ぐるぐる回転させて好きなアングルを自分で選べるみたいですね、
いや、すごいですね、
なかなか豪華な特典が付いていますが、その割に値段は普通の値段です、
いや、やっぱりちょっとだけ高いかな……、
3つ目は、模様のカタログみたいなやつ
着物を描くにあたってもう一つ難題がありました、それは模様のデザインです…
着物の模様は緻密でぱっと見何がどうなってるのか分かりません……
花が無数に咲き乱れていて、
他にもよくわからん幾何学的な模様がちょこちょこちょこちょこちょこ……
これを描かなきゃならんのか〜…と思うと溜息しか出ませんでした
描くにあたってあらゆる資料を参考にしましたが中でも「使い勝手がいいな」、と思ったのがこちらです↓
「日本の模様」
着物の模様を描くのが難しいと感じる原因は、おそらく色んな柄がゴチャゴチャと入り乱れていることにあると思います。
この本では、そのゴチャゴチャをスッキリと線画で描き起こしてくれています。
こんな感じ↓
モノクロの線だけで描いてあります、
「これなら私でも描けそう〜」って思えるくらいスッキリしていますよね。
そして値段に関してもかなりの内容量であるにも関わらず凄く安いです。
和柄を描く・デザインする機会のある人は1冊持ってて損はないでしょう、
ちなみに2巻もあります↓
という訳でお役立ち情報はここまで。
あとは、苦労話や精神論、上達法に関する話などなどです。
ぐだぐだ書くので興味がある人だけ読んでください。
では、
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苦労した点
苦労した点を工程順に列挙するとこんな感じ↓
- 時短するべく裸体を描かずに服で体を描いたらなんか変になった(修正に超時間かかった)
- 模様のデザインが決まらず、まる1週間迷走した
- 完成間近!………しかし背景で心折られる
長くなるのでそれぞれ簡単に説明します。
服で体を描いたせいで修正地獄にはまった
最近、更なる画力アップ、作業効率化のために色々試しています。ブラシ変えたり根本的に描き方変えたり…
で、今回は時短しようとしていつもやってる工程を省略しました。
僕は人間を描く時はまず裸の状態(ヌード)を描いてからそれに衣装をくっ付けていくという手順で描くのですが、
とタカを括ってしまったがために、後で修正地獄に陥ってしまったのでした、
これが服で体を描いてなんか変になってる状態↓
たぶん傍から見ても何が変なのかよく分からないかも知れません…(描いてる本人しかわからない)
服の中に体があることが感じられない、というか
服が一反木綿みたいというか…
特に画像赤丸の部分にな~んか違和感を感じます、
びみょ~~ですがな~~んか変です………………
じ~~~っと見てたら「いや大丈夫か、気のせいかな、」と思えてくるのですが、トイレに行ったりしばらく目を離した後でふと見た瞬間!
やっぱなんかキモいわ........
と感じるのです
たぶん皆さんも似たような経験があるのではないでしょうか?
こういう微かに感じる違和感だったので、自分でも何が変なのか判然とせず直すのにかなり時間がかかってしまいました
やはり今まで通り「人物を描く時は裸体をちゃんと描いてからやろう」と固く誓いました^_^
着物の模様のデザインが決まらず迷走地獄にはまった
実は僕はデザインが大の苦手なんです、
沢山の資料を買ったので世の中にはどんな模様があるのかについては詳しく知ることが出来ましたが、それをどのように配置して配色するかっていう所謂デザインが全然出来なかったのです
ここではもの凄く悩みました、
1週間まるまる「あーでもない、こーでもない」と…ひどい迷走をしてしまいました…
迷走する様子一覧↓
メイキング動画↓
そんだけ悩んだ割には、出来栄えはイマイチ悔いが残るものになってしまいましたが………、
悪くはないとは思いますが、
なんだか模様がコピペみたいで上手く馴染んでないんですね。
それに、もうちょっと初音未来ちゃんならではのデザインに出来たら良かったんですが、
音符とかを上手く取り入れたり…
普通の花柄を描くのがせいいっぱいでした
やはり何事も数をこなして慣れていないと洗練された仕事は出来ないということですね、
最終段階、背景でまたも心折れる……
ヒィヒィ言いながらキャラクターをなんとか描き終えて、後は背景描いたらやっと完成だ〜っ
………と喜ぶのはまだ早かったようです
背景も上手く描けず、ゲーゲー言いながら描かねばなりませんでした
(ホントは分かってましたけどね、こうなる事は。
いつもの事なんで………)
具体的には
まずはメインの五重の塔を描きました…
こんな感じ↓
なんか変です…
カッコよくない…
それもそのはず、これは5段のうち1段だけ描いてそれを4つコピペした手抜き画像だからです
背景のクオリティはそこそこにサッサッと仕上げちゃおう!、とまたも時短を試みたのですが、………
………全く思惑通りにはいきませんでした
↑実際描いたのはこの1段だけ、残り4段はこれのコピペ………………
コピペだから当然パースは狂っているし、
コピペならではの不自然さも凄く目立っています…(なんか妙に均一な感じ)
ここまで散々苦労した上に、もう後一息で完成という所でまた失敗…
………
はぁ…
はぁ〜あ…
ため息しか出ません、
あ〜〜〜
もう嫌や………
イラスト一枚描くのにどれだけ時間かかってるんや……………俺は、
………でも、描き直さなければなりません…
この出来ではコンテストに入賞できませんし、何より自分で良くないと分かっているものを世に公開することは出来ません、そんなことは自分のプライドが許さないのです
ですが…こんな変な5重の塔でも描くのに2〜3時間はかかっています、
それに描き直すと言っても次は上手く描ける保証もありません、
何が悪いのかもハッキリしません、=何をどう描き直せばよいのか分かりません
(ただし、アングルがあまり良くないという事だけは感じていました…)
こんな状態では描き直すパワーが湧いてこないものです。
完全に手が止まってしまって良いアイデアは浮かばず、代わりに出てくるのは溜息ばかり……
あと普段はあまり気にならない睡魔もやたら襲ってきます
上達を阻む試練
真面目にイラストを描いてる方なら誰もがこうゆう場面に直面するでしょう
どうしてもやる気が出ない……ってヤツです
ですがまあ、それも仕方のないことです
クリエイターあるあるです、避けられないことなのです
背景ありの1枚絵を描き上げるのは本当に大変なことです、まず描かなきゃいけないものが多すぎるんです、そして一つといって簡単に描けるものはありません、
- 背景からキャラが浮いてしまったり、
- 奥行きや空気感が上手く表現できなかったり
- パースが狂って幼稚な絵になってしまったり
難題だらけです…
ですが、ここで挫けず描き直すことが出来るかが上達の鍵を握っています
挫けたり妥協してしまってはやはり上達はしません…
多くの人がここで妥協してしまうんじゃないでしょうか?
上手く描けていないことが分かっていながら描きなおす事をしないのではないでしょうか?
ちなみに僕はこうゆう時どうするかというと、
実際の描き直し手順
大抵その日はもう駄目です、
一応時間の許す限り頑張りますが「あー、やっぱり上手くいかない〜」と唸りながら寝る時間を迎えます
悲しい気持ちのまま寝ます(寝れないことも…)
で、起きて憂鬱な気分のまま朝の用事を済ませ会社に行きます
会社でも絵が上手くいかないことを引きずっているので憂鬱です、
でも仕事して同僚と話したりしてるといくらか気分が変わります。
そして仕事の休憩中(60分)にPinterestや上手い人の絵をガン見して、どうやって描き直すべきか考えます、流石に闇雲に描き直しても上手くはいきませんので、
(これは僕の仕事があまり頭を使わない単純作業だから出来ることです。難しい仕事だったら絵のことを考える余裕はないでしょう…)
とにかくガン見します。
そしてここで何かしらの手がかりを探します
(ここは場合によっては2〜3日かかることもあります)
で、家に帰っていよいよ描く時がやってくる訳ですが、上手く描けるか不安だしやはり気は重いです。
溜め息が溢れ出てきます^_^
ですが昼間に見つけた「なけなしの手がかり」を元に作業開始します、
今回の場合、手がかりとなるのは
- 前日にアングルの悪さを感じていたので、
カッコよく見えるアングルに直します(Pinterestの画像を参考に) - 1段だけ描いて他4つはコピペ、なんてずるい事はせずに、パース定規を適用して5段全部描きます
という2点でした。
要は「手抜きをせずにちゃんと描く」ということですね、
特殊な工夫やテクニックはありません、
非効率でも出来ることをやってみるしかない
これは個人的な意見ですが、おそらく
「どうやれば上手く描けるか?」について人に聞いても、ネットで検索しても正解なんて得られないでしょう
たぶん正しいやり方なんてのは誰にも分かんないんだと思います、
諦めずに
不器用でも非効率でもいいから
「こうしたら良くなるかも?」と感じることをやるしかないのだと思います、
「出来ることをやってみる」しかないのだと思います、
そしてそれと同じく「出来るまでやる」ことも大切です。
挫けず妥協せず…………根気強く……上手く描けるまで何度でも、
実際僕の場合は、「狙ってできること」ってあまりないです
こう描けばこうなる、という理論ややり方に基づいて描いてる訳ではないんですね
試行錯誤する中で「あ、なんかいい感じになった、よし、こんな感じでいっか、」
と偶然よい結果に落ち着くことが多いです
つまり良くなるまで描き直してるだけなんですね、
やり方してはとても非効率だし時間もかかっちゃいますし、なかなか思い通りにいかず辛く感じることが多いです。
ですが、それを繰り返す内に沢山のノウハウが身についてゆくゆくは狙い通りに素早く描けるようになるのだと思います
テクニックも大事だけど泥臭く努力することも大切
要は絵を上手に描くためには、デッサンとか空間把握だとかの理屈やテクニックも大切ですが、それと同じくらい、…もしかしたらそれ以上に「諦めずに何度でも描く」という単純な頑張りも大事だということです
これは絵に限らずなんでもそうですよね、
努力なくして成功なしです
……と、ちょっと長くなってきたのでそろそろ終わります
この後、幸いにも描き直し一回でなんとかいい感じに描けました、
↑描き直した5重の塔
構図なども再度見直して煮詰めます↓
後ろの紅葉なども苦戦しましたが、、……なんかグチャグチャ↓
まあそれなりの見た目になったのでよしとしました、
という訳で凄く苦労して描いたミクちゃんのイラスト、
当初の目的通りコンテストに入賞しました
またこのイラストを通じてお仕事も頂きました。(←実はこれも狙っていました、このコンテストは宣伝効果が高そうだと思っていたので........)
描くのが嫌になってしまったあの時に妥協してしまっていたらこの成果は得られなかったでしょう、
諦めず頑張ってよかった........
ではまた!
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