今日もイラストの制作過程のご紹介です。(最近日記系記事ばかりで申し訳ない…)
描いたのはこのイラスト↓
Pixiv主催のコンテスト「戦国布武イラコン」用に描いたものです
「戦国布武」ってのはスマホゲームのことですね(因みにやったことはありません)
要項には、戦国武将の女性化もOKとありましたのでオッサンよりかは女性が描きたかったので
豊臣秀吉を女性化してみました。
メイキング動画↓
という訳で毎度のことですが、制作にあたって参考にした資料の紹介と苦労した事・学んだ事についてお話しします。
では、
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甲冑を描くための資料
甲冑や着物は本当に日本の宝・誇りである、と感じます。
カッチョいいのは勿論のこととても美しいですよね。
容姿の面で欧米諸国と比べると何かと劣りがちな日本ですが、(←個人的見解)
甲冑と着物は未来永劫絶対負けることがない唯一無二のものだと思います。
そんな甲冑を描くにあたっての参考資料と言えばこれが有名ですね。
既に知ってる・持ってるという方も多いんじゃないでしょうか?
色んな甲冑が綺麗な画質で沢山載っています。↓
細かなディテールも良くわかります。
甲冑好きにはたまらない内容です。
<稀少!>甲冑の着用方法が分かる!!
そして特筆すべきは、甲冑の着用方法(手順)が写真付きで解説されているという点です。
こんな感じ↓
甲冑の下に着こんでいる着物?や袴?についても良くわかります。
たぶんですけど甲冑の着用方法が記載されている書籍は、この本が唯一ではないでしょうか?
甲冑はどうやって体にくっついているのか?
甲冑に限らずですが、衣装ってどうやって体にくっついているのかが分かっていないと、なかなか上手く描けません。
単純な立ち絵だったらまだしも、ちょっと動きのあるポーズになるともはやお手上げ状態…
甲冑の場合は特に肩の防具がどうなってるのか分からないんじゃないかと思います。
- 腕を手前に突き出したら肩の防具はどんな風になるんだろう??
- 腕の動きについてくるのか???
- そもそも腕を動かす時邪魔にならないのか?可動域は?
- 刀を頭上に構えるとキャラクターの脇が露わになるけど甲冑の脇の部分はどんな風になっているんだろう??
…などなど戦国キャラクターにポーズを取らせようとすると様々な疑問が湧いてきます。
これらは想像力を働かせて考えた所でよく分からないのです。
で………筆が止まってしまいます。
要は「知らないものは描けない……」ということ、
絵を描くためには知識(勉強)が必要
絵を上手に描くためには前提として、
描こうとするものの形・構造についてある程度知っておくことが大切です。
そしてその為には必然的に描こうとするものに関する資料(写真や図説・現物)が必要になってきます
知識もなければ資料もない、
そんな状態では上手に描けません、
そのまま描き始めてもおそらく途中で筆が止まって(進行不可になって)しまうでしょう…
- よく見て、
- 知って、
- ある程度覚えておく、
ちゃんと勉強しなくちゃいけないんですね…
参考記事→オリジナルイラストが描けない、を解決する!!ただ写すんじゃなく描き方を覚えてしまおう!やり方は英単語の暗記と同じだよ。
資料集めは出来ていない人が多い???
とは言え、僕も描き始める前にしっかり資料を集めるようになったのはつい最近の話です。たぶん去年(2019年)の夏頃から
以前は何故だか何の準備もしないまま描き始めてしまい、大抵「背景を描く段階」で何をどう描いていいか全く分からず筆が止まってしまい、積む・投げ出す、あるいは制作時間が大幅に伸びるということをやっていました………
そしてその原因が何なのか当時の自分は全然分かっていませんでした、
ただ漠然と「下手だから」「背景は苦手だから」と思っていました。
今なら当時の自分に「何の資料も知識もないのに描けるわけないじゃん?」とアドバイス出来るのですが…
不思議なものでこんな単純なことにもほんの一年前まで分かっていなかったのです……
資料を集めるようになったのはピンタレストのおかげ?
そんな僕が資料をちゃんと集めるようになったきっかけは何だったでしょう……
たぶんピンタレストを見るようになったことがキッカケになった気がします、
はじめは何気なく眺めていただけでした…(使い方がよくわからん、言いながら)
ですがとにかく参考になりそうな写真・使えそうな写真が山程出てくるので、いつしか暇な時にピンタレストで写真を集めるのが習慣になっていったのです。気になる写真は片っ端からフォルダに分類整理して集めるようになっていきました
それで実際絵を描く時に「資料が揃っていること」がいかに役立つか、心強いかを身をもって知ったのだと思います。
描き慣れていないもの(背景)は自分で想像して描くのではなく、資料を見て描くものなのだ、
…と、
それを痛感したおかげで、以前は面倒だった資料集めが苦では無くなり当たり前にやるようになったんです、
なので資料集めが「嫌い・面倒くさい・そんなのやってられん」という方はまずはピンタレストを何気なく眺めることから始めてみてはいかがでしょうか?
次第にその利便性が分かってきて積極的に資料を集めるようになると思いますので
…と、甲冑の話をしていたのにピンタレストの話になってしまいました
…すいません
では続き↓
ユーチューブ動画
さっき紹介した本に載ってる甲冑の着用方法なのですが、
残念ながら、これを見たからといって完璧に甲冑の構造や着方が理解できるかというと、そうゆう訳ではありません、
僕個人の感覚で言うと、理解度は大体60%くらいかと……
写真とテキストによる解説では限界があるのか、やっぱりよく分からないままの部分があります。
それを補完する意味でyoutube動画も参考にしましょう。↓
youtube動画で甲冑の大まかな形、構造を知り、写真集で甲冑の細かな質感、装飾・紐の結び目などを知る。
これでほぼほぼイラストを描くための知識は揃うんじゃないかと思います。
他の資料も紹介
ついでに他にも役立ちそうな資料をいくつか買ってみたので紹介します。
和風キャラクターの設定資料集
まずはこちら。
陰陽師というゲームの設定資料集です、
一見甲冑とは無関係に思われるかも知れないですが、
こちらは、さっきの写真集で学んだリアルな甲冑や着物のデザイン・装飾を
- どのようにイラストとして描き起こすか?
- どのようにデフォルメしたら良いか?
- またはより見栄えのする派手なデザインにするためにどう脚色すればよいか?
といったことを考える時に役立つと思います。
実際僕も和キャラを描く場合、この本を良く見てます。
これ↓を描いたときはかなり参考にしました。
オススメする理由として、絵柄がとてもスッキリしていて分かりやすいので、真似しやすいんですよね。
三面図なども載っているのでとても参考になります。↓
そもそも写真を参考にするのは難しい?
リアルな写真はいかんせん情報量が多いので実際のところ参考にすること自体が難しい・出来ないと感じている方も多いかも知れません。初心者の方やデフォルメの強いアニメ系の絵を主に描いている方は特にそうだと思います。
そういった方は、はじめからデフォルメしてあるイラスト集・設定資料集を参考にするのもアリですね。
ですが、ある程度慣れてきたらでいいので是非リアルな写真からも学べるようになって欲しいと思います。
(その理由についてはこちらの記事に書いてますので良かったら↓
長年絵が上達しなくて辛い?!今こそリアルタッチで描く時!リアル絵は学びの宝庫、必ず道が拓けるよ。)
他の甲冑の写真集
こちら↓も気になったので買ってみました。
…が、
内容はさっき紹介した「図説・戦国甲冑集」とほぼ同じでした。かなりダブってます。
でも写真の点数はこちらの方が多いです。
い〜っぱい載ってます。
全て綺麗なカラー写真で見ているだけでも楽しいです。
ただし、鎧の着用方法などは一切載ってません。
どちらの本も一長一短ですが、どちらか一冊だけを選ぶとしたら着用方法が載ってるはじめに紹介した奴の方が良いかと思います。
こっちがオススメ↓
あとは日本刀や武器に関する資料、
こちらは特にオススメはしないですが、
ネット上の画像は画質が悪いものが殆どなので、細かいディテールを綺麗な写真で確認したいという目的でなら買ってみても良いでしょう。
写真は綺麗です、
が、もうちょっと日本刀を色んなアングルで撮ってあったら絵を描くのに超役に立つし、大満足だったんですが、
全部横から撮った平凡なアングルの写真ばかりです………
あと文章が多いです、
- 刀の歴史とか
- 刀の威力とか
- 刀の反りの意味についてとか
- 実際どれくらい斬れるのかとか
そう言った根本的な原理、構造から学びたいという方にとっては良いでしょう、
僕は見た目にしか興味なかったので読んでないです
こっちは手裏剣とか鉄砲とか槍とか薙刀とかの写真が載ってます、
こちらも上に同じで、全部平凡なアングルの写真で文章が多く写真が少な目な印象……
それなりに参考にはなりますが、期待してたのとは違ったかな…
という訳で、資料の紹介は以上です。
ここで一旦作画工程の写真を一挙に載せときますね。
では、お次は苦労話などなどです。
ぐだぐだ書くので興味がある場合のみ読んでください。
今回の苦労話の最大のポイントは、
「ボツを出してしまった」
という点……
実はこのイラストの前に一点別の絵を描いてたんですが完成まで辿り着けず途中で諦めてしまったんですね、
僕はいつも絵の上達のためには、
諦めず何度でも描き直そう!そうしないと上達しない!
なんてことを言っていますが、
かくいう僕もどうしても描くのが嫌になってしまって出来ないことがあります、
そんな時はどうするか??
そして心機一転、新しい絵を描きます、
諦めると一時的に自信を喪失し、負けたような気分になりますが、
気持ちを切り替えて次頑張ることが出来ればそれは負けではありません。
そのあたりのお話を。
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苦労話
描くの嫌になって諦めてしまった
まずは没になったイラストを紹介↓
う~ん、
なんか派手だから前田慶次とか?
いえ、答えは武田信玄です、
始めは武田信玄の女性化を描いてました、
ベース色が赤だから正統派戦国武将って感じでしょ?
風林火山!って感じ
豊臣秀吉はなんか狡猾で冷酷、怖いイメージだったからベース色は紫っぽい黒にしました
ようわからんけど、
5回に1回はボツを出してしまう未熟さ
基本的に作品として仕上げようと作業開始したものは諦めずに最後まで描きあげる!というのをモットーにしていますが、大体5〜6回に1回は描くの嫌になってボツを出してます、
.....結構な高確率。
何でボツにしてしまうのでしょうか?
自分でもよく分かりませんが、
そこには、構図が悪いとか、表情が悪いとか具体的な理由はない気がします
なんかこの絵嫌いってゆう気持ち(心)の問題だと。
絵を描くための原動力はいまだに「好きなものを描く!」という子供っぽいものでして……
気に入らないものとは付き合い切れないのですね
まだまだ我が儘な未熟者です。
諦めるか、続行するか、決断できない?!
ボツを出すと締め切りまでの猶予が縮まってしまうので、ボツにするならするで早めに決断しなければならなかったのですが、そう簡単には決断できませんでした、
- せっかくここまで描いたのにってゆう葛藤がありましたし…
- もうちょっと頑張ったらなんてかなる筈だ、ってゆう期待もありましたし、
- 描けなかった、ってゆう所謂「負け」を認めるのが嫌でしたし…
実際「描き直した方がいいかも、」という選択肢が浮上してからも「いやいや、諦めたらあかん!なんとかなる筈!活路を見出せ!」という思いで5日くらいは粘っていました…
活路というのは言わば「このイラストの誇れる部分」のことですかね、
制作に行き詰まってもこの絵のこの部分はとてもカッコよく描けている!と思える部分が1つでもあれば、それを支えに他の悪い部分も描き直していけるんですが、
この絵にはそれが無かったです、
顔、ポーズ、衣装、全てにおいて後で描き直さなきゃな、と感じてしまって、その修正にかかる手間を考えたらもう始めから描きなおした方が早いな、としか思えなくなってしまったのです
変にセクシー路線(胸元を強調する)で行こうとしたのが失敗の元だったのかも…
そんなこんなで、「やっぱり心機一転新しいの描こう!」と決断するに至りました。
締め切りまで残すところ2週間……
2週間あれば余裕じゃん、と思う人が多いでしょうか?
僕にとってはかなりギリギリの期間です、
プレッシャーがなかったからこそ間に合った
はよせな、はよせな、とかなり焦りながら描いたんですが
「まあ最悪間に合わなかったらそれはそれで仕方ないか、
仕事じゃないんだし…(てゆーか仕事じゃなくてホントよかったなぁ)」
と楽天的に考えていた部分もありました。
だからこそ何とか間に合ったのだと思います、
もしこれが仕事だったら
と、プレッシャーに襲われてまともに描けなかったと思います、
よく締め切りが近くないとやる気出ないって人がおられますが…
羨ましいです
やり直すも毎度立ちはだかる壁達
無事締め切りまでに納得いくクオリティで仕上がったのでよかったですが、例によって色々大変でした、
毎度のことですが、
- 頭身バランスが変になって修正に手こずったり
- 衣装の皺を描くのに大苦戦したり(服のシワはトップレベルに難しい!!)
- 締め切り3日前に顔が気に入らなくなってまた描き直したり、
もう詳しい内容はグダグダと長くなるだけなので書きませんが、前回記事にした初音ミクちゃんのイラストの時と大体同じ様な行程を辿りました、
全くスマートには描けなかったなぁ……泣
最後に(諦めても次頑張れば問題なし、)
制作話は以上となります。
今回の記事でお伝えしたい事(教訓ぽいもの)があるとすれば、それは
諦めても次頑張ることが出来れば問題なし
ってことですかね、
今回のように上手く描けなくて途中で諦めると、
少なからず「ああ、俺はなんて下手くそなんだろう…」なんて自信を喪失してしまうこともあるでしょう
でも一旦スッパリ諦めて、気持ちをリフレッシュして次上手く描けたら何の問題もありません。
なんかの歌にあるように
という奴ですかね、
たとえ後退してしまうことがあってもトータルで前進していれば良い訳です。
頑張り続けることの危険性
最近は少なくなってきたとは思いますが、
一部では「絶対諦めるな!絶対逃げるな!」という不屈の精神で頑張り続けることが良いことのように言われたりします、
まあ一理あるとは思いますが、
でもそれってただ挫折を知らないだけなんじゃないかと思います
無理矢理頑張り続けるとどうなるか……
…………
気づいた時にはもう、
立ち直れないほどに心が疲弊しきっているかも知れません…
挫折まで秒読みの状態です
真の不屈の精神とは?
頑張れる時はとことん頑張る
でも辛い時は休んで気分転換する
そうしてまた頑張る気力を取り戻す
そうゆうメンタルケア・コントロールが上手にできることがホントの不屈の精神なのではないかと思います。
3歩進んで2歩下がる
そしてまた淡々と進んでいく
時には諦めたって大丈夫。
一旦気持ちを切り替えて次こそは最高の一枚を描きあげましょう、
それではまた!
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