僕の元に寄せられる相談の中に、次のようなものがあります。
「模写はできるのですが、オリジナルを描こうとすると全然上手く出来ません。どんな練習をしたら描けるようになるのかもよく分かりません…」
というお悩み…
これ、もの凄く多いです。
確かに「模写が出来ること」と「オリジナルの絵を描く事」の間にはちょっとした壁がありますね、
そして、この悩みを抱えている人はこうも考えています。
「ひたすら模写をやっていれば、いずれオリジナルの絵も描けるようになるはずだ」と…
………
ですが、
いつまで経ってもオリジナルイラストを描けるようにならないのが実状です。
ただ漫然と模写していても魅力的なオリジナルイラストを描けるようにはならないのですね
→知らないと損?!漫然と模写しても絵が上手くならない訳とは?
ではどうすれば良いのでしょうか?
答えは意外と単純です。
描き方を覚えてしまえばいいのです。
「見て描き写す」から「見なくても描けるようにする」つまり「描き方を覚える」という意識に切り替えることでこの問題は解決します。
そして、そのやり方は学生時代にやった英単語を暗記する方法と大体同じですよ、という例え話を用いて解説してみますね、
というわけで、今日のテーマは「描き方を覚えてオリジナルイラストを描けるようになろう」です^_^
(*この記事は若干厳しい内容になっています、読んで嫌な気分にさせたりモチベーションを挫く可能性がありますので気を強く持ってお読み下さい)
ではでは、
………………………………………………………
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目次
描き方を覚えていれば想像でも描けるようになる?
まず最初に、
描き方を覚えるというのは、「描きたいものの形をよく知ること」とも言えます。
なぜなら、モチーフがどんな形をしているのかを良く知っていれば、おぼろげではありますが頭の中にそれを思い浮かべる(イメージする)ことができます。これが出来れば、多少の訓練は必要ですがそれを紙に描き出すことはさほど難しいことではなくなります。
つまり、想像でも描けるようになる=描き方を覚えている、ということ。
(*頭の中にイメージ出来るといっても決して鮮明にイメージ出来る訳ではありません、頭の中のイメージはいつもモヤモヤしています。それについて詳しくはこちら→絵が上手い人の頭の中はどうなっている??頭の中のアレがめっちゃ正確だった!!
ですが、描こうとするモノの形をよく知らなければ想像だけで上手く描くことは絶対にできません。
絶対に....、
出来ません....、
オリジナルイラストが描けない原因は、それなんです。
描こうとしているモノがどんな形をしているのかを知らないのです…
その状態では何も見ずに想像だけで描けるはずがありません
絵が上手く描けるようになるか否かを左右するのは結構単純なことです。つまり、
描こうとするモノの形・特徴を、
- よく見て、
- 知って、
- 描いて、
- 覚える、
これです。才能なんかじゃありません、
よく見て、知って、描いて、覚える!
これは一言でいうなら「勉強」のことです
描きたいものがどんな形をしているのかをしっかり勉強すればちゃんと上手く描けるようになります。
でもこれが分かってない方がとても多いです・・・
絵を描くということをある種の特殊な行為として見ていないでしょうか……
勉強や練習よりも、センスや感覚的なものが大切だと思ってはいないでしょうか??
そんなことはないのですよ、
夢のない言い方になってしまいますが、
コツコツまじめに勉強すれば絵は誰でも描けるようになります。
才能なんかなくったって、少なくとも僕が描いてるような絵くらいは絶対描けるようになります。
僕は自分に才能があると思ったことは一度もありません、
ナンバーワンを目指すなら才能が必要??
(*センスや先天的な才能が関わってくるのは超一流のレベルの絵を描く時に限った話だと思います。
仮に絵の世界選手権みたいなものがあったとして、そこで優勝できるか否かの最終的な決め手になるのは、その人のセンスや才能.........ということになるんじゃないかと思います、どの作品もレベルが高すぎて優劣を決めるのはそれくらいしかないのではないかと.........
僕たちにはあまり関係のない話です)
そして、
ちょっと極単な考え方ですが、モチーフの形をよく知りその描き方を覚えることは、英単語を暗記するのと大して変わらないのです
いきなり英語の話が出てきて抵抗があるかもしれませんが、まあちちょっと聞いてください。
絵の描き方を覚えるのは、英単語を暗記するのと同じ??
これは僕の個人的な見解ですが、絵の勉強も英語の勉強も手順は大して変わりません。
それを説明します。
まず、
英文を書くためには、英単語、文法、を覚えていなければ書けないですよね?(慣用句なども)
さらに遡ると、英単語を書くためにはアルファベットを覚えてなきゃ駄目ですよね?
絵もそれと同じで、例えばオリジナルキャラクターを描くためには、
人間の体はそもそもどんな形をしているのか?
またポーズによってそれがどう変形するのか?
…ってゆう人体構造、を覚えていなければなりません、
そして、人体構造を覚えるためにはもっと基本的な情報を知っておかなければなりません。
つまり
- 手・足・胴体の長さや大きさ、
- その比率
- 個々の筋肉の形、
などです。
こういった人体の基本情報は、英語でいう所のアルファベットのようなもので、
「ポーズによってそれがどう変形するか?」は英語で言うところの文法のようなものですかね、
筋肉の形(=アルファベット)とその変形パターン(=文法)を覚えていれば、オリジナルキャラクター(=英文)を描くことは容易いです。
さらに細かな身体的特徴(=慣用句や言い回し)を付加すれば、多彩なニュアンス(=ムキムキやボンキュッボン!)を表現できます。
........
はぁ……理屈はそうかもしれないけど、そんな単純にはいかないよ、
確かにいきなり「絵は誰でも描ける」とか「英語の勉強と同じ」だと言われても受け入れ難いのは分かります、
でも……
僕が今までやってきたのは今話したことだけなんです。つまり、
人間の体の形を
- よく観て、
- 知って、
- 描いて、
- 覚える、
です。
もう少し具体的に言うと、
- やさしい人物画を参考に、そこに載っている図解や解説をよく見て、
- 人の体を形作っているそれぞれの基本情報や要素(骨格や筋肉の形)を知り、
- それを何度も模写したり、頭の中で繰り返しイメージして、
- やさしい人物画を見なくても描けるように覚えた
それだけです。
↑これを見なくても描けるように覚えました。(もちろん完璧に覚えているわけではありません、大体です。また時間が経って忘れてしまうことも普通にあります)
それを継続してやってきた結果、今ではこれくらい描くようになりました↓
漫然と模写することは勉強ではない
ちょっと厳しいことを言います。
模写はできるけどオリジナルイラストが描けない人は、「よく見る」ことと「描く」ことはやっているのですが、「知る」ことと「覚える」ことをやってません。
どういうことかというと、
「よく見る」と「描く」は、模写やデッサンにあたります。
模写やデッサンはよく観て描けば誰でもできるようになります。
なので「観る」と「描く」は殆どの人がやっています。
ですが、その先の「知る」と「覚える」をやってません。
知って覚える、……
前述しましたが、これはまさしく勉強のことです。
失礼な言い方になりますが、オリジナルイラストが描けるようにならない人は、勉強しているようで実は全然できてないんです。
ただモチーフを見て描き写しているだけです、完全に思考が停止してしまっています。
でもそれは仕方のないことです、ただそっくりに描き写すだけなら何も考えなくても出来てしまうからです、
模写やデッサンはよく観て描けば出来てしまうのです、思考力や想像力は全くと言っていいほど必要ありません、
なので、いつもやっている模写やデッサンに「知る」「覚える」をプラスさせることが、オリジナルイラストを描く為の活路となるでしょう。
難しく考えずただ覚えればいい
アルファベットはただ覚えるものです、
学生の頃、ひたすらabcd…と声に出したり、頭の中で唱えて覚えましたよね?
または、ひたすらノートをアルファベットの文字列で埋め尽くしたりして覚えましたよね、
絵もそれと同じで、筋肉の形や各パーツの比率(=人体構造)はしのごの言わずにただ覚えるものです。
よく見て、描いて、時には紙や鉛筆を使わずに頭の中だけで思い描いてみたりしながら、元絵を見なくても描けるようにしなくてはなりません。
ただ、英単語を覚えることと違うのは、絵の場合は「見え方」を覚えるというか「どう見えるか」を映像として記憶する感じです、
足の長さは頭何個分で~…と言語化して覚えるのとはちょっと違います、見た目をそのまま覚える感じですかね
慣れないうちは言語化して覚えるのも有りといえば有りなんですが.........
これはなかなか説明が難しいのですが、…
あるモノをじっと見つめて目を閉じた時、なんとなくですがさっきまで見ていたモノの残像を思い出すことが出来ないでしょうか?
モヤモヤとしていて全く鮮明ではないですが、なんとなくの残像が、
絵の描き方を覚える・モチーフの形を覚えるというのは、その感覚が第一歩になるかも知れません。(これは不確かなことなので、意味が分からなくてもあまり気にしないでください。あくまで僕の私見です)
という訳で、次は描き方を覚えるための具体的な方法とその時に意識するべきこと・注意点について話します。
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どうやって覚えれば良いのか?その方法・注意点は?
描き方を覚えるためには具体的にどうすれば良いかと言うと、
模写をして覚えます、
なんだ、結局模写かよ…と思ったかもしれませんが、
描き方を覚えるためにやる模写は、ただ描き写すだけの模写とは意識すべきことが全然違います。
描き方を覚えるために模写する時は、どちらかというとスケッチに近い描き方になるでしょう、
そっくりに描き写すことよりも、モチーフの形・特徴を掴むこと(よく知ること)が目的なので、精密に描き写す必要はありません、
意識すべきは、2点
- 写すことに一生懸命になってはいけない、ということ、
- 写すことに意識を奪われてはいけない、ということ、……
どちらも同じことですが、大事なことなので2度言いました。
「見なくても描けるようにするんだ!!」という意識を強く持って、
そっくりに描くことよりも、モチーフの形・特徴を掴む・覚えることに集中して下さい
モチーフの形を覚えることとその描き方を覚えることが出来ないのは、ここで結局「そっくりに描き写すだけ」になってしまうからです。
前述しましたが、そっくりに描き写すだけなら思考力も想像力も働かせることなく出来てしまいます。
ただ見たまんま写せばいいだけなので。
それでは「知る」ことも「覚える」こともできません、
もっと言うとそれは勉強ではありません、
キツい言い方になりますが、それはカンニングです。
目の前にあるモチーフという答えを見てそれを写しただけです。それでは自分で考えて答えを導き出す(問題を解く)力は身につきません。
さらに言うと、ただ描き写すだけの模写は、言わば「勉強する時に教科書の文章をただノートに丸ごと書き写すのと同じ行為」です。
教科書を丸ごとノートに書き写す……
これ意味あるでしょうか?
労力の割に教科書の内容を殆ど理解できないし、何も覚えられないですよね、
覚えるためには、思考力を働かせて教科書に書いてあることをよく読み、理解し、頭の中で何度か復唱して意識の中に定着させて初めて覚えることができます、
モチーフの形を覚えること・絵の描き方を覚えることもこれと同じです。
ただ単に描き写しても覚えられません、
頭の中に思い描き、イメージすることで初めて覚えることができます、
学生時代を思い出してみてください、アルファベットや算数の九九をどうやって覚えましたか?
a.b.c.d.e.f……
ににんがし、にさんがろく、にしがはち……
こうやってひたすら頭の中で唱えませんでしたか?
少なくとも僕は、頭の中でひたすら唱えて覚えました。ノートに書くのは、頭の中で覚えたことをほんとに覚えたかどうか確認する意味でやったくらいです
絵も同じでただ単に描き写すんじゃなくて、モチーフの形を頭の中で繰り返し思い描き、イメージした方が覚えやすいんです。
オリジナルの絵を自在に描けるようになりたいなら
どうか、このただ単に描き写すという「無思考状態」から脱出してください、
モチーフを見て(カンニングして)答えを書き写しているだけではいつまで経ってもオリジナルの絵を描けるようにはなりません、
思考力を働かせて、モチーフの形・特徴をよく観て・知って・覚えていってください。
そして、頭の中に思い描けるようになってください。
こうゆう意識に切り替えることができれば、モチーフが目の前になくても徐々に描けるようになっていきます。
それがオリジナルイラストを描くということなんです。
(以下の記事↓で絵の描き方を覚える方法についてより具体的な手順を解説しています
何も見ずに想像だけで絵を描くためには???描き方を覚えるってどうやるの?練習方法を解説!)
人体構造を覚えた時の話
さっきも少し触れましたが、僕はそうやってキャラクターの体の描き方(人体構造)を覚えました、
やさしい人物画に載ってる挿絵を「見なくても描けるようにするんだ!」と強く意識して模写していきました
そっくりに描き写すことには拘らず、スケッチ感覚で体のラインや筋肉の成り立ちをしっかり頭に焼き付けるように意識しながら何度も描きました、
時間はそれなりにかかりました.........
3ヶ月程かけて、腕、足、胴体と.........
パーツごとに何度も模写して見なくても描けるようにしていきました。
紙と鉛筆がない時は、頭の中で絵を描いていました。頭の中にイメージを思い描いてそれを指でなぞったり……
決して簡単なことではないですが、モノの形・その描き方というのは絶対に覚える事ができます。
(参考記事→【体の描き方】キャラ絵が劇的に上手くなる!どんなポーズも自在に描けるようになる方法!)
ちゃんと見直す・描き直すことが大切、
そして、もう一つ大切なこと。
上手く描けてないな、と分かっているならちゃんと描き直すこと。
英単語のスペルを忘れたら単語帳を見て確かめますよね?
あ、appleのpが一個抜けてたと気づいたら、一度は書いてみるんじゃないでしょうか?
それと同じで体の形がわからなくなったら、人体教本を見直して確かめてください、
そして見本を参考に間違いを正して(描き直して)下さい。
上手く描けていない、下手だと分かっているのに描き直さない人がとても多いです。
描き直さずほったらかして、
「なんか変だな〜、
あー、私、下手だなぁ〜」
で終わらしちゃってないですか?、
せっかく下手だと気付いているのですから、直してください。
直せば必ず上達します。
直さず妥協してしまったらそのままです、(上達しません)
英単語のスペルがわからない時に単語帳を見直すことなく済ましてしまったらどうなるでしょうか?
書けないままです、単語帳を見直して正しいスペルを知るまで書けるようにはなりません
絵も同じです、
教本を見直してもう一度描いてみなければ、描けないままになるだけです。
だから、上達したいなら必ず描き直して下さい。
自分の絵の不自然さに気付いているのですから、
せっかく上達の芽が出ているのですから、それを自ら摘むことなく伸ばして下さい。
(参考記事→描き直すなんてめんどくさい??!絵が上手くならない・下手な理由はただ一つ→描き直さず妥協を繰り返しているから)
ただし、絵の描き方を覚えるのは英単語を覚えるよりも数倍の手間がかかる。
とは言え、絵の間違いを正すことは、英単語のスペルの間違いを正すことに比べたら数倍〜数十倍の手間がかかります。
なぜならモノの形、見え方というのはそもそもかなり情報量が多いですし、またそれを正確に描かなければ許されないからです。
英語は字が汚くても歪んでても読めれば許されます。
ですが、絵の場合はそうはいきません。
汚かったり歪んでいると下手だと否定されてしまいます。
絵の上達は簡単じゃない理由はこういった部分にあります。やる事がとても多いんです。
ですが、この事には早めに慣れてしまってください。
- やる事が多いから大変なのは仕方ない、
- 上達に時間がかかるのは仕方ない、
- みんなが同じ辛さと戦っている、
- コレを乗り越えることが上手くなるということ…
と受け入れて焦らずコツコツやっていきましょう、
長くなりましたが、今日は以上です。
絵の上達のために必要なのは、とどのつまり勉強です。
よく観て、知って、描いて、覚える、ということ。
模写やデッサンはよく観て描くことに相当します。
ですがそれは勉強ではありません。
ただ書き写す模写から得られるのは、モチーフの形を正しく認識する観察眼だけです。
(観察眼は絵の上達のための必須条件ですが、それだけあってもオリジナルイラストを自在に描けるようにはなりません。)
オリジナルイラストを描けるようになるためには、模写やデッサンに「知る・覚える」をプラスさせればよいのです。
ただ写すという無思考状態から抜け出し、思考力を働かせてモノの形を理解し、その描き方を記憶していけば、自分の想像でも絵が描けるようになっていきます。
それを継続できさえすれば、必ず魅力的なオリジナルイラストが描けるようになります。
最後になりましたが、この記事では絵の練習をしている方々に対して失礼なこと・キツいこと・傷付けるようなことを沢山言ってしまいました。
不快に思われた方、申し訳ありません、
ですが時には厳しく言わなければ伝えられないものもある……
そういった意図で書かせて頂きました。何かしらの参考になれば幸いです、
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