模写って難しいですよね…
自分の好きに描けないし、なにより結構面倒くさいですし……^_^
もう元絵を見るのも嫌になってきた!
好きに描くのではなく、そっくりに描き写さなければいけないので、なんというか独特の緊張感があるんですよね、
僕は模写の事を"初心者殺し"と呼んでいます、ほんと…難しいと思います^_^
ですが残念なことに、絵が上手くなる為の第一歩としては、やはり「最低限の模写力を身に付けることだ」と言わざるを得ません。
というわけで今日は、絵の上達のために
- なぜそんな面倒なことを練習しなければならないのか?、
- 模写することの意味と模写を極めれば一体どんなスキルが得られるのか?
について考えていきたいと思います。
どんなに辛いことでも、それをやることで得られる恩恵について理解することができれば、少しはやる気になれると思うので^ ^
ではでは、見ていきましょう
………………………………………………………
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目次
模写に必要なこととは?
ちょっと、みなさんに訊きたい事があります。
模写が上手に出来る人はなぜあんなにもそっくりに描き写す事が出来るのでしょうか?
- 才能があるから?
- 人知れず努力しているから?
- 暇だから??
- 模写が好きだから?
色々あると思いますが、
まず1つ目、「才能があるから?」…
そんな考えは捨てましょう、
それが必須条件だとしたら、才能がない…と感じた時点で全て終わってしまいます。
「2、努力しているから」、「3、暇だから」は正解です。
3はちょっとふざけて書きましたが、絵を描く時間を沢山設けることができるという意味です。
「4、模写が好きだから」は、…
どうなんでしょう?そもそも模写が好き、という人がいるのでしょうか?
僕が嫌いなだけかも知れないですが、スーパーリアリズムというジャンル(写真と見分けがつかない程そっくりに描く、あの凄いヤツ…)を描く方は模写が好きなのかもしれないですね^_^
それはさておき、
もう一つ大きな理由があります。
もっと単純なことです。
答えは…
モチーフを「よく観ているから」です。
…………
なんだ…そんなことか、
とガッカリさせてしまったでしょうか?
ですが、この観るということが画力を向上させる上でどれだけ重要かがあまり理解されてないなぁ…と僕は感じています。
(ぶっちゃけ絵の描き方というのは、身の回りにあるモノを観る(観察する)ことで全て学ぶことが出来ます、
詳しくは長くなるのでまたの別の機会に…)
模写を練習中の方に今一度見つめ直して欲しいのです…。
観ることを疎かにしてませんか?
描くことばかりに気を取られてはいませんか?
そう言われてもぉ……
では、観るとは具体的にはどうゆう事をしなければならないのか?
非常に初歩的なことではありますが、だからこそ軽視されがちなんだと思います
改めて考えてみましょう
観るとは正しく情報化すること
「観る」とは、モチーフの形を一つ一つ注意深く観察することです。もっと言うと「モチーフの形を情報として把握すること」です。
日常生活でいう「ただ見る」のとは大分違います、
ただ視界に入れる(見る)のではなく、「モチーフがどんな形をしているのか=情報」を知る為にしつこいくらいガン見することが「観る」という事です。
観るべき情報とはなんなのか、具体的に人の顔を描く場合で考えてみましょう
把握するべき情報とは?
- まずは形です。(輪郭、目、鼻、口などの各パーツのシルエット)
- そして、それぞれの位置関係(幅や間隔など)
- 最後にそれらの大きさの比率、
とりあえずはこの3つです、さらに細かくみていきましょう
1.形を観る
モチーフの形を観るときは、輪郭や目、口などを単なる図形てして捉えるのがコツです。(輪郭は特に重要です。)
「確か目はこんな形だったよな?」とか、「大体こんなもんでいいだろ?」
…といった先入観や思い込み・推測を捨ててカタチだけを正確に捉えてください
2. 位置関係を観る
位置関係は、主にパーツ同士の間隔や距離で測ります。輪郭の中にどうゆうバランスで収まっているかをよく観てください。
モチーフをよ〜く観察して、
自分が描いた絵とよく見比べます
どんなに観ても、観過ぎということはありません、しつこく何回でもみて下さい
3. 大きさの比率を観る
大きさの比率は、輪郭と各パーツの大きさを比べたりパーツ同士の大小を観て「大き過ぎないか?小さ過ぎないか?」をチェックします。
…と、こんな感じでかなり膨大な量の情報があります……
情報の多さにパニックにならずに落ち着いて観察しなければなりません。
(ちょっとここでは実践的な描き方を説明したい訳じゃないので、これ以上詳しい内容は割愛しますね、
模写の実践的な手順についてはこちらを参考に↓
どうでしょう?
慣れていないとちょっと難しいですよね…
でも、この3つをしっかりと把握できたなら、絶対にそっくりに描く事ができます。
描けないのは、これらの情報を把握し切れていないか、把握した情報が間違っているからです。
その時は、自分の描いた絵とモチーフを見比べて、何が違うのか分かるまで観察しなおさなければなりません。
必ずなにか見間違い、思い違いをしていた事に気付くはずです。
必ずどこか勘違いをしているから、描いた絵もどこか違和感があるものになってしまうんです。
模写が出来ない理由は?
長くなりましたが、要は模写が上手く出来ない理由は、
ちゃんと見ているつもりでも、「全然観れていないから」なんです。
(参考記事→模写・デッサンが上手い人と下手な人との違いとは?)
断じて才能がないからではありません
納得いかないし、上手くも描けないという人は
もう一度自分の絵を観てみてください。
- 図形として捉えたパーツの形は合っていますか?(特に輪郭の形は最重要ポイントです。これが間違っていては、全てが狂ってしまいます。)
- そして、それぞれの位置関係はどうですか?離れすぎてないですか?近すぎないですか?輪郭の中にバランスよく収まっていますか?
- 形と位置関係をクリアしたら、最後に大きさを微調整する事で、大体そっくりになるはずです。
どうしても違和感がある場合は、もう一度始めから見直さなければなりません、特に輪郭の形が大事です。
うん、模写ってこの繰り返しなんです、
大変なんです……
「何度もやったわ!」と怒りたくなる気持ちもわかります、
ですが、絵はそうゆう面倒なことを延々繰りかえす事でしか身に付かないことがあるのもまた事実です
実際僕も一発で上手く描ける訳じゃないですから。描けるまで描き直しているだけです、
(こちらの記事も参考にして下さい→もう観るのも嫌!!模写が出来ない人は頭の中にイメージを作るのが苦手な人??)
模写は描く練習ではなく観る練習!
そしてついに本題です。
模写って一体何のためにやらなければならないのか?
模写をやらなければならない理由は、他でもないこの「観る力」を鍛える為なんです!!
描くのはちゃんと観れているかどうかの確認作業でしか有りません…
「描けていない」という事実から「観れていない」という事実が分かるのです。
だからもっかい観る。のです
「描けてない=才能がない」とか、「私は絵が下手なんだ、向いてないんだ…」と解釈してしまうこと。
こう思ってしまう人沢山いるんじゃないでしょうか?そうじゃないんです、……観れてないだけなんです!
ただ、何度も観て描き直す作業はとても面倒で大変なので「私には出来ない、才能がないんだ…」と諦めたくなる気持ちは分かります、
ですが、どんなに上手い人でも一度はそこで思い悩むものです…
なので、もし挫けそうになっても誰もが経験する単なる通過点だと思うようにしてください、
観る力を鍛えずに先に進んじゃダメ!
この観るという事を疎かにしたまま、描き続けても絵は上手くなりません。
目の前に置かれたモチーフと、それを見て脳内に情報化されたイメージに相違があれば、その情報を元に描いた絵がおかしくなるのは当然です、
そしてその相違点に気づかなければ、どんなに描き直しても、どんなに頑張っても正確に描き写すことは永遠にできないんです。
(参考記事→知らないと損!?漫然と模写しても絵が上手くならない理由とは??)
「目に見えたものを素早く情報化し、その形を正確に認識する」
この能力が、これから画力を向上させていく上で1番最初に手に入れるべき必須条件です。
なぜなら、これを疎かにしたまま次のステップへ進んでしまったらなら、ことごとく「上手く描けない…、なんか変な絵になってしまう…」という現実にボコボコに打ちのめされてしまうからです。
そして絵が嫌いになって描くのを辞めてしまうという最悪の結末になりかねません。
だからたとえ辛くてもどんなに面倒くさくても「観る力(観察眼)」を鍛えなければならないんです、
これが模写をやらなければならない大きな理由です。
…次は、模写を練習することで得られる新たなスキルについてお話しします。
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模写をやることで目醒める3つのスキルとは?
観る力を鍛えると、次のような力が新たに覚醒します。
特に3つ目は是非とも手に入れたい能力です。
1.自分の絵の間違い(デッサンの狂い)に素早く気づくことができる
これは大幅な時短に繋がります
模写するのに初めは5〜8時間くらいかかっていたとしても、最終的には1〜2時間程で大抵の絵は写せる様になります。(簡単なモノなら10分とか)
2.見ただけでそれを描く際のポイント(特徴)を抑えることができる
複雑な形をした物でも、それを的確にパーツに分解してどうしたら効率よく描けるかを判断できるようになります。
あとは、質感(ザラザラやツルツル)や映り込みといった細かな特徴にも目が行き届くようになります。
3.もはや描く必要がなくなってくる。上手な人の作品を見ているだけで、画力が向上する!??
上手な人のタッチや技法を、見ているだけで盗めるようになります。
こうしてみると観る力というのは、見たものを自分の頭の中に吸収していく(インプットする)能力とも言えそうですね。。
(参考記事→絵のうまい人の頭の中はどうなっている?!頭の中のアレがめっちゃ正確だった!)
それでも模写が上手く出来ない場合
3つの情報をこれでもかと観察したのに、
「全然上手くいかない!」と言う方がおられると思います….
もう絵なんて描きたくない!辞める!
と今まさに崖っぷち状態におられる方、
早まらずこちらを見てからにして下さい
↓
模写が苦手な人が気付いていない、その4つの理由とは?これが分かればまたやる気になれる!頑張って!
手の動かし方(ペン捌き)にも原因が??!
最近分かったことなのですが、模写が上手く出来ない原因が「手の動かし方」にもあることが分かりました。
詳しくはこちら→迷い線とアタリが重要!模写が出来ない原因は手の動かし方にあった??基本のペン捌きとは?
役に立つ書籍は?
こちらの書籍を読んでみるのもいいと思います。「観るということ(観察眼)」について徹底的に解説してあります。
結構評判のいい本ですし、内容に関しては僕も概ね同感です。
オリジナルの絵を描く為には?
模写の必要性を説いておきながら、こんな話をするのもなんなのですが、
模写が上手になってもオリジナルの絵を自在に描ける訳ではありません、
オリジナルの絵を自在に描けるようなるためには、モチーフをただ単に描き写すんではなくて、「その描き方を覚える!」ということが最大のポイントになります。
(参考記事↓
- オリジナルイラストが描けない、を解決する!!ただ写すんじゃなく描き方を覚えてしまおう!やり方は英単語の暗記と同じだよ。
- 模写はできるけど、オリジナルの絵・イラストが描けない!を解決する!!
- 何も見ずに想像だけで絵を描くためには???描き方を覚えるってどうやるの?練習方法を解説!)
模写には3種類ある?!
ここまでお話してきたのは模写の中でも「ただ描き写すだけの模写」です。僕はこれを勝手に「無思考模写」と読んでいます。(そっくりに写すだけなら思考力も想像力も殆ど必要ないからです)
オリジナルの絵を描くためには、これの他に
- 描き方を覚える為の模写=覚え(暗記)模写
- 人の絵から盗む模写=盗む(パクリ)模写
をやる必要があります。
(詳しくはこちら→絵は独学でもこんなに上手くなる!ド下手だった僕の10年間の上達過程公開!!)
漫画を使って楽しく描き方を覚える方法
他に漫画を使った練習方法もあります。
詳しくはこちら→オリジナルのキャラ絵を描く為の基本。漫画を使って人体構造を理解しよう!!
「模写が辛い、嫌い、何回やっても上手くいかない」という方は、気分転換にこっちの練習をするのもいいと思います。
こっちは模写と違ってまだ楽しいと思います。
という訳で、今日は「模写をやなければならない理由」と「模写をやることで得られる3つのメリット」についてお話ししました。
やる気になって頂けたでしょうか?
頑張って練習していきましょうね!
それではまた^ ^
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