今日は、何も見ずに想像だけで絵を描けるようになる為の方法についてお話しします。
その方法とは一言で言うと
描き方を覚えてしまえばいい、
のですが、…
先日、その「描き方を覚える」ということがどうゆう状態を指すのか、良く分からないという質問を頂きました。
読者様からの質問メール一部抜粋↓
絵を覚えた状態とは?
マエコさんの記事に関わらず、絵を「覚える」という言葉がよく出てきます。正直この絵を覚えた状態というのが自分にはイマイチ分かりません。
いつでも描いたことのある絵を何も見ずに描ける状態のことをいうのでしょうか?
だとしたら絵の練習方法は、何も見ずに描けるようになるまで同じ絵を練習→それができるようになったら別の絵へ、
という方法がいいのでしょうか?
なるほど…
僕もこのブログの中で絵の上達のためには、ただ単に模写するんじゃなくて「モチーフの形を覚えることが大切」「想像でも描けるように描き方を覚えることが最大のポイント」だと繰り返し言っています。
ですが、そもそもその「形を覚える」「描き方を覚える」という事がどうゆうことなのかイマイチ分からない…ということですね。
- 描き方を覚えている状態というのは一体……???
- 具体的にはどうなることを指すのだろうか?
- 世の中にある全ての絵を覚えなきゃいけないの?そんな馬鹿な…
- それが分からないことには何を目標に、何を目指して練習していけばよいのか分からないんですけど……
という状況ですね、
確かにその気持ちはわからなくもないです、
絵を覚える…???
一般常識として浸透している言葉でないことは確かです
ですがこれは理屈での説明がちょっと難しいんですね、
言い方を変えれば、「モチーフを見なくても想像で描ける状態」のことを指します…
………
…が、この言い方では「モチーフを見ずに描けないから困っているんだ、モチーフを見なくても描けるようになるにはどうしたらいいんですか?」という疑問が必ず湧いてきます、
それに対する答えは、「モチーフを見ずに描くには、その形をよく知って(覚えて)、その覚えた知識・記憶を元に描くしかないのですよ」となります。
つまり「描き方を覚えましょう」ということ。
これを「覚える」という言葉以外で説明出来ないので「覚える」という言葉を使っているだけなんですね、
なのであまり「覚える」という言葉の意味を深く考え過ぎないで欲しいのですが…
まあ、これは理屈でアレコレ考えるよりも、体感してみたほうが早く理解できるでしょう
という訳で、今日はモチーフの形を覚える、描き方を覚えている状態とはどんなモノなのか体感してみましょう
以下その手順・方法を説明していきます。結構原始的な方法なので、やること自体は単純です。
手順を箇条書きにするとこんな感じです、↓
- まずは簡単な絵を模写する
- その直後に同じ絵を何も見ずに描く
- 部分的に描き方を覚えていることを実感する
- モチーフを再度観察し直す→何も見ずに描く、を繰り返す
- 記憶を頼りに想像で描ける部分を増やす
- 最終的には何も見ずに大体描けるようになる
です、
では詳しく見ていきましょう、
………………………………………………………
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目次
模写した直後に同じ絵を描いてみる
まずは単純な絵でいいので模写をやってみてください、
(単純な絵というのは例えば、ピカチュウとか…
ドラえもんとかでもいいんですが、簡単すぎるのもあまり良くないです、
覚えるまでもなく描ける絵ってありますからね、それがドラえもん…^_^
ピカチュウくらいなら簡単すぎず難しい訳でもなく丁度いいかと思います
他にも
- ドラゴンボールの孫悟空とか、
- ワンピースのルフィとか、etc...
なんでも、描きやすそうなモチーフを選んでください。)
で、模写したら時間を置かず直ぐに同じ絵を描いてみてください。
ただし、今度は元絵を見ないで自分の記憶を頼りに描いてみてください。
で、次が重要なことなんですが、…
この時、「さっき描いたばかりだから意外と覚えてるもんだな」と実感できないでしょうか?
この感覚が大切です、
どうでしょうか??
もちろんそっくりには描けないでしょう、
たぶん変な(不細工な)ピカチュウがそこに描かれていると思います。
でも部分的に覚えている箇所が絶対にあるはずです、
例えば、
- ピカチュウのアゴのラインとか、
- 尻尾の形とか…
- 耳の長さとか…
なんでもいいんですが部分的に「確かここはこうゆうラインだった・形だった」とはっきり覚えている箇所が絶対にあるはずです。
これが「形を覚えている」「描き方を覚えている」という状態です、まだほんの一部しか覚えていないとは思いますが、今はそれで十分です。
そしてこの感覚があるなら所謂「絵の才能」があると思ってオッケーです。
描き方を覚えて、自分の想像でオリジナルの絵を描くための素質・能力は十分備わっています。何も心配はいりません。
後は努力の問題…
ただ写すのではなく記憶を頼りに描くことへ意識を変えていこう
何も見ずにオリジナルイラストを自在に描けるようになるための第一歩は、モチーフをただ描き写すんじゃなくて、こうやって「自分の記憶を頼りに描くこと」へ意識を切り替えていく事なんです、
「ただ単に描き写すだけの模写=無思考模写」から脱却し、頭を使って、考えて絵を描くようにすることが大切なんですね、
参考記事→模写しか出来ない、を解決する!!ただ写すんじゃなく描き方を覚えてしまおう!やり方は英単語の暗記と同じだよ。
では続き↓
描き方が分からなかった部分を元絵を見て確かめてまた同じ絵を描いてみる
ピカチュウを何も見ずに描いてみた時に、どう描いたらいいか分からなかった部分があったと思います、
記憶を頼りに描けなかった部分が…、
なので今度はそれを元絵を見て確かめてください、
「どんな形だったかな?」と…
で、この時注意するべきことは、「今度こそ何も見ずに可愛いピカチュウを描くぞ!」と強く意識して、しっかり観察することです。
脳裏にピカチュウの姿を焼き付けるように、
しっかり観察したらまた何も見ずにその絵を描いてみてください。
……
そしたら多少なりとも、さっきより上手く描けるようになったんじゃないでしょうか?、
.........場合によってはあんまり変わらない事もあります。ここはその時の調子の良し悪しや個人差などもあると思います。
ですが、やはりここでも部分的にですが「ここはこうゆう形だった」とはっきり覚えている箇所があるはずです。
繰り返しますが、これが「絵を覚えている・描き方を覚えている」状態です。
で、あとはこの手順を繰り返して「記憶を頼りに描ける箇所」を増やしていって下さい。
この手順というのは、
- モチーフをしっかり観察して、
- その記憶を頼りに何も見ずに描いてみて、
- 描けなかった部分をモチーフを見て確かめて、
- また何も見ずに描いてみて、
- また描けなかった部分を元絵をみて確かめて……
- 以下繰り返し、
です。
繰り返す内に段々と精度が高まってくる
人によってマチマチだと思いますが、これを3〜5回ほど繰り返せば、ピカチュウくらい単純な絵なら元絵を見なくてもそこそこ上手く(可愛く)描けるようになると思います。
が……
何回やっても上手くいかないという人もいるでしょう、
ですが希望は捨てないで下さい。
1番はじめの行程で、
まず一度模写してみてその直後に自分の記憶を頼りに描いてみた時「さっき描いたばかりだから意外と覚えてるもんだな」という一部だけだけどどんな形だったか覚えている感覚があるなら大丈夫です。
回数を重ねれば、覚えてる箇所を増やせるはずです。1箇所を覚えることが出来たのですから、それを2箇所、3箇所と増やすことは必ず出来ます。
諦めず、可愛いピカチュウが描けるまで頑張ってみて下さい
取り敢えず目標に到達、何も見なくても想像だけで大体描けるようになる
で、この元絵を見なくてもそこそこ可愛いピカチュウが描けるようになった状態が「何も見なくても想像だけで絵が描ける状態」です、
これが、とりあえずのゴール(目標達成)です。
まずはここを目指して下さい。
そして、これが出来たらもう大船に乗ったつもりになってオッケーです。
もはやオリジナルイラストが描けるようになったも同然です。
次は別のピカちゅうの絵についても同様の手順で描き方を覚えていきましょう。
……………………………………………………
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色んなアングル、ポーズの絵についても同様の方法で覚える
今後やるべきは、他のポーズやアングルのピカチュウの絵に対しても同じことをやって、見なくても描けるパターンを増やしていく事です、
見なくても描けるアングル・ポーズが増えてくれば、次第にピカチュウを自分の好きなように動かせるようになってきます。
*重要!自然と想像力が働くようになる!
1個目、2個目のピカチュウの描き方を覚えるのはそれなりに時間がかかると思いますが、4個目5個目ともなってくると、それまでに覚えてきたピカチュウの形から、描こうとするポーズが推測できるようになってきます。
元絵を見なくても、「このアングルならこんなライン・輪郭になるんじゃないかな?」と勝手に想像力が働くようになるんですね。
さらに6個目7個目と描いていると、もう元絵を見なくても自在に描けるようになってきます。
(これは言い換えれば、立体認識力・空間把握力が養われてきたことを意味します、)
→立体的な絵が描けない、を解決する!空間把握・認識能力をガンガン鍛える練習方法とは?!パースについても解説
想像とは無から生み出すことじゃない
このことから、想像力とは無から生み出す力ではなく、知識・経験を元に、そこから新たな何かを派生させる力だと言っていいと思います。
つまり大切なのは才能じゃないんです、知識と経験なんです、要するに勉強のこと…
これがこの記事の主題
実はこの記事で最もお伝えしたいのは、ここなんです。
形を覚える方法よりも、「形を覚えることによってアナタの身に何が起こるのか」を知ってもらいたいのです。
つまりさっき話したようにモチーフの形を覚えることで想像力が働くようになり、まだ見ぬ未知のポーズ・アングルも推測で描けるようになるということ。
- 自分で考えて絵が描けるようになる!ということ。
- 好きなように絵が描けるようになる!ということ。
是非ともこれを体感して欲しいのです。
これを実感することが出来れば世界が変わります。辛い練習も苦ではなくなります、勉強すればするほど自分で考えて好きなように描けるものが増えて行くのですから、
全てを覚える必要はない、基本で十分
推測で描けるようになってくるので、覚えるべきは基本的なことだけでも十分です。
ここまで読んで頂いて「なんでもかんでも全て暗記しなくちゃいけないの???そんなの無理でしょ?!」と思われた方もいるかも知れないですが、もちろんそんなことは無いので安心してください。
ピカチュウの場合なら、煽り、俯瞰、通常のアングルを合わせて10パターンくらい覚えたら、どんなポーズでも大体描けるようになるんじゃないかと思います。
想像力に任せて好きなように描こう、(苦労が報われる瞬間)
こんなピカチュウや
あんなピカちュう、
はたまたそんな事をしてしまうピカちゅう…
想像に任せて描いてみましょう、
これはとても楽しいことです
好きなキャラクターを、元絵を見ることなく自分で考えて描けるようになったのですから。
自分の妄想、想像を具現化する、
これこそ絵を描くことの本質、醍醐味です。
これまで描き方を覚える手順をサラッと解説してきましたが、決して簡単な事ではなかったでしょう、
ですが辛い練習の成果は必ず出ます
今がその時ですね^_^
ついにオリジナルキャラクターを描く時到来!
そして、想像だけでピカチュウが描けるようになったということは、目に見えるものなら何でも想像で描けるようになるということの証です、
その他の目に見える者達↓
- 好きな漫画のキャラクター、
- ゲームや映画のキャラクター、
- 可愛い動物達、
- 衣装、武器、防具などのアイテム、
- 乗り物、メカ、巨大ロボ
- ドラゴン、幻獣、モンスター、
- 背景……
- 既に設定と構想を練ってあるオリジナルキャラクター
描き方を覚える為に使う資料の山↓
既存のキャラクターにアレンジを加えてオリジナルキャラクターを作ってみるのもよし、ゼロからデザインしてオリキャラを作るのもいいでしょう。(ゼロからデザインするといっても本当に無から生み出すのではなくて、やはり既存のデザインを参考にしつつ、より自分らしいデザインを考えるのが一般的です。プロのイラストレーターやデザイナーでもそうしているという話は有名です。)
という訳で、
もはや何も言う必要はありません
何を描こうと自由です。
自分の描きたいものを選んで、その基本ポーズ・アングルを数パターン覚えて好きなだけ描いて下さい。
妄想を膨らまして好きなように動かして下さい。
自分だけのキャラクターに命を吹き込んであげて下さい。
(最後に)人型のキャラクターを描くならまずは人体構造を覚えた方が近道??
とは言え、ひとつだけアドバイスするとしたら…
ひとしきり自分の想像で自由に描くことを楽しんだら、一度手を止めてやって欲しいことがあります。
それは
やさしい人物画を使って人体構造を勉強する(覚える)ことです。
特に人型のキャラクターメインでイラストが描きたいと考えているなら、是非ともやって欲しいことです。
面倒くさいかもしれませんが、そうした方が返って上達は早いです、
漫画やゲームなど既存のキャラクターをアレンジしてオリキャラを創るのも全然有りだと思うのですが、どうしてもデッサンが疎かになってしまうというデメリットがあります、
仕方のないことですが、デフォルメされたキャラクターはデッサンが適当になっていることが多いです。特に漫画やアニメは…急いで描かなきゃいけませんから、
デッサンがデタラメな絵とは?デッサンという言葉の定義はかなり広い意味を持っているので、ここでは立体的な観点で見た時、不自然な絵と定義します。
それを参考に描いたものは同じくデッサンの狂った絵になってしまいます
初心者の方がその狂いを正すことは難しいでしょう…
デッサンが全てではないですがイラストのクオリティはデッサンの出来不出来に少なからず影響を受けます。
やさしい人物画を使えば人体構造に関する正しい知識が手に入るだけでなく、デッサン力も同時に鍛えることができます。
デッサン力を高める方法として手取り早いのは、簡単に言うと「リアルタッチで描けるようにすること」だと思います。
やさしい人物画から人の描き方を学べば、あまり意識せずとも自然とそうなります^_^
リアルタッチをデフォルメするのは簡単なので、どんな絵柄でも描けるようになりますよ。
萌え絵はもちろん、萌えとリアルの中間を狙うことも出来るでしょう。
なので僕はやさしい人物画から人の描き方ををみっちり勉強することをオススメします。
やさしい人物画の活用法はこちら↓
早ければ3ヶ月ほどで上手に描けるようになるでしょう。
こうやって真面目に勉強して基礎を固めれば、それは一生の財産になります。
実際僕は、「やさしい人物画」を参考に人体構造を覚えたおかげで急激に上達しました。
このくらい↓
人体に関する知識だけでなく絵を描くということの根本を学べた気がします。
(参考記事→画力アップの起爆剤?!漫画を描けば絵・イラストは爆発的に上手くなる!!「上達過程公開第2弾」)
というわけで今日は以上です。
オリジナルイラストを自在に描ける日は近いです^_^
ではまた!
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