今日は、読者様からのご質問にお答えします。
だいぶん前にこうゆう記事を書きました↓
デッサン力倍増間違いなし!物体を面で捉えて立体感ある絵を描く方法!
一言でいうと、陰影の描き方が分かる記事です。
陰の出来方にはある法則のようなものがあります、それが分かればいちいち資料を見なくても自分の頭で考えて陰影が描けるようになります^_^
(まずは、この記事に目を通してからこの先を読み進めることをお勧めします。)
この記事を読んでくれたHさんから以下のようなご質問を頂きました、
質問全文↓
内容を要約すると、
- 物体を面で捉えるためには、具体的にはどんな練習をすればいいのか?
- 市販の教本にも具体的な方法が書かれておらず、正しい練習方法が知りたい
とのこと^_^
ご質問を読む限りHさんはまだ絵を始めて間もない方とお見受けしました、
にも関わらずこの記事の内容を理解されるとは、
どちらかというと中級者の方に向けて書いた記事だったので、
初心者の方にはチンプンカンプンかと思っていたのですが…
そうでもないのかな?
まあそれはさておき、ご質問にお答えしていきますね!
ではでは、
………………………………………………………
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モノの陰影を観察する癖をつけよう
物体を面で捉える訓練として、
まずは、「普段の生活で目にするもの」や」「好きなイラストレーターの絵」を見た時に、陰影の出来方や描き方をよく観て分析する癖をつけるといいです。
光が差してくる方向と、それを受ける面の角度を見て、なぜその面が暗くなるのか、また明るくなるのかを考えてみて下さい。
例えば、この写真↓を見て陰影を分析してみましょう
まずは光源の位置を割り出す
ハイライトや明るくなる面、陰になる面、床に落ちる影を見れば、光源が手前上方にあることが分かると思います。
光源の位置が分かったら、その光が当たりやすい面と当たりにくい面がどこなのかを考えて、
さらに陰影を細かく分析してみましょう。
微妙な陰影の濃淡が生じる理由を考える
例えば、よく見るとB面よりもA面の方が明るくなっていることが分かると思います、
この差はなぜ生まれるのでしょうか?
その理由は、A面のほうがB面よりも光に対する角度が緩いせいです。
B面は真横を向いているのに対して、A面は若干斜め上を向いています。
つまり、光源の方を向いている(角度が緩い)ということ。
光源からの光に対して緩い角度の面には光が当たりやすいので明るくなります。
逆に角度が急な面には光が当たりにくくなるので暗くなります。
図示するとこんな感じ↓
面の角度でほぼ全て決まる
陰影の意味を紐解く時は、ほぼこの考え方で答えがでます。
繰り返しますが、光に対して角度が緩い面は明るくなって、角度が急な面は暗くなるということ。
ですが、現実世界では光源が複数あったり反射光が強かったりするせいで理論通りにいかず簡単には分析しにくい場面もあります…
例えば、下図のC面とD面をみてください。
C面よりもD面のほうが暗くなっていますよね....
正直、なぜそうなっているのかその理由はよくわかりません。
たぶんですが床からの照り返しの光(反射光)がD面よりもC面の方によく当たるからC面の方が明るくなる....のだと思いますが、
どうなんでしょう?
モノクロフィルターが便利
こんな感じで身の回りにあるものを「光源とそれに対する面の角度」に置き換えて分析することは、面で捉える感覚を超鍛えます。
色の情報を省略できるので、陰影の濃淡が解りやすいです。
写真とイラスト両方から学ぼう
現実世界の陰影には情報量が多く、分析するのが結構難しい場合があります。
形が複雑すぎたり…
さっきみたいに明確な理由がわからないモノも沢山あります。
なので、難しい場合は上手い人のイラストから学ぶのもありです。
イラストの場合は、情報がある程度整理されています。
リアルに描くことが全てではないですから、ある部分は省略され、ある部分は誇張されていたりします。
悪く言うと、イラストには嘘が潜んでいます^_^
描き手の独自のテクニックや解釈、または感情なんかも混じっているので、やはりリアルから学ぶことも忘れてはいけません。
面で捉える練習に向いているのは、やはり厚塗り系のイラストですね。
教材として最適なイラストは?
ちなみにタカヤマトシアキ先生のイラストは陰影の描き方を分析するのに適していると思います。
もの凄くリアルで緻密なんだけれども、その割にスッキリしているというか……
情報が綺麗に整理されているというか
面の角度とその濃淡を一つ一つ見ていると楽しくなってきます。
超好き!
↓この画集にはタカヤマ先生の描き方・考え方が載っているのでお勧めです。
↓こっちはほぼ画集です、巻末に少しだけ作画工程が載っていますが。
ひたすら描く練習をしよう
観察と分析をする癖をつけたら、
あとはそこから得られた「知識と気付き」を元にひたすら描くことですね、
とにかく沢山描いて下さい、
やはり画力は練習量に確実に比例しますので
何を描けば良いか?
基本描きたいものをを描いたらいいとは思いますが、一応 面を捉える感覚を養うのにオススメなモチーフがあります、
詳しくは後程…
すぐには上手く描けない…
これはもう言わずもがなですが、何を描くにしてもすぐには上手く描けないと思います。
たとえ「光源と面の角度」を完ぺきに把握出来ていたとしても、やはりある程度は練習が必要です。
もちろん僕も昔はとても下手でした
黒歴史↓
タカヤマトシアキ先生を始めとする一流イラストレーターに憧れて描きまくるうちに段々と描けるようになっていきました
なので、上手くいかなくても投げ出さず何度も描き直して下さいね。
(参考記事→描き直すなんてめんどくさい??絵が上手くならないのは描き直さず妥協を繰り返しているから。)
上手く描けない場合は、資料を参考にするしかない
どうしても上手く描けない場合は、上手い人の絵を参考にするなり資料を探して来るなりして
陰影の出来方を確かめるしかありません、
この時何かしらの発見があるかと思います、
例えば「あれ?面の角度が思ったより急だったな」とか…
「…てことはもっと暗い陰を描かなきゃいけなかったのか…」ということにも気づき、
実際その通りに描き直してみると、あら不思議!
リアルな質感が表現できた!ということもあります。
意外と、微かな濃淡の違いで絵が見違える程良くなることってあるんです。
事実の通りに描けば大抵の問題は解決する
コツは
事実に逆らわないこと、
ですかね…
事実というのは何度も言うように「光源に対する面の角度」のことです、
想像力を働かせて、面の角度を正しく割り出すことが出来たなら、
下図の4色の中からその角度に対応するグレーを選んで塗ればいいだけです。
そうすれば、気付けばリアルな絵がそこに誕生しています。
作画工程→グリザイユ画法で孫悟空を描く!
作画工程→グリザイユ画法でバイクを描く!
参考記事→グリザイユ画法で美人画を描く!
作画工程→グリザイユ画法でハムスターを描く
作画工程は他にもたくさんあります→こちらから
大事なことなのでもう一度言いますね。
鍵を握っているのは「面の角度を正しく割り出すこと」です^_^
少なくとも僕はいつもそうしています。
なんだか上手く描けない時は、光に対する面の角度がどれくらいかをひたすら考えます、
想像力を働かせて。それだけに意識を集中します。
立体を頭の中にイメージして……
ですが、どうしても分からない時もあります。
その時は、資料を探します。見つかるまで。
大抵ネット検索で見つかりますが、
……
見つからなかったら自分で作ります
例えば、服のシワを描く時なんかは、真夏でも革ジャンを着て鏡の前に立ちます^_^
面倒ですが……上手く描く為には、それしか方法がないので仕方ありません
……面で捉える練習をする際に意識するべきことはそんな所かな、
次は、具体的に何を描いて練習したらいいかについてお話します。
何をモチーフに選べばよいか、ですね
……………………………………………………
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練習には、固くてカクカクした多面体を描くのがいい???
面で捉える感覚を養うなら、人(キャラクター)や動物を描くよりも物体(アイテム)を描いた方がよいと思います。
中でも、固くてカクカクした多面体、
…がいいと思います
例えば、
- 彫刻とか
- 車とか
- 家電製品とか
- 腕時計とか
- ピストルとか
- ダイヤモンドなどの宝石類とか…
ちょっと難しいかもしれませんが、その方が面を捉えやすいのです。
デッサン教室では、とりあえず身の回りの日用品を描かせるのはそういう理由なのかもしれませんね、
キャラクターや動物はダメなのか?
私そっちの方が得意なんだけど....
人や動物はポーズによって形が大きく変わりますし、全て曲面で構成されているので面を捉えにくいのです、
つまり「光に対する面の角度」が分かりにくいということ。
そうなると光が当たりやすい当たりにくいが判断しにくくなるので、陰影を描くのも難しくなります。
そう言ったことを踏まえて考えると、リアルな陰影を描けるようになるために何を描いて練習すればよいかというと……
ガンダムとかいかがでしょう???
ガンダムって一見複雑なようで結構単純な形をしています、
ロボットの中では比較的描きやすい方ではないかと.....
ガンダム作画工程
僕も昔ちょっと描いたことがあるので、その作画工程をば↓
1.シルエットを捉える
2.線画でパーツ分割
3.陰を描く
4.光が当たりやすい面を描く
5.ハイライト
う~ん・・・・簡単ではなかったですね、すいません
(因みに6時間~8時間くらいかかったような記憶があります......)
でもカッコいいし楽しく練習できると思いますよ、
面で捉える感覚はバッチリ鍛えれます!
ガンダムは資料も豊富
資料も豊富にあります。フィギュアの雑誌とかね
例えばこんなん↓^_^
これはメカを描くための資料に使えそうだと思って何となく買ったヤツだけど、
なかなか使えると思います、写真も綺麗だし
中身↓
他にもガンプラの作り方・塗装の仕方みたいなノウハウ本も本屋で見た記憶があります
ガンプラ 作り方マニュアル一覧(Amazon)
なんなら実物を買ってもいいと思います、値段も手頃です(¥2,000- ~¥6,000-)
僕も資料としてこうゆう模型を一体持っておきたいんですが、
何を買うべきかまだ検討中です…
そんな所ですかね、
面で捉える感覚を鍛えるためには、どういう練習をすればよいか?なんとなく分かっていただけたでしょうか?
無理なの…どうしても
手始めに50個くらい描いてみようか!
(参考記事→立体的な絵が描けない、を解決する!空間把握・認識力をガンガン鍛える方法とは?!)
という訳で今日は「物体を面で捉えるための具体的な練習方法」についてのお話でした。
それではまた!
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